2015年 10月 11日
hit9 外道の味(4) |
~今回のtarget ウグイ Tribolodon hakonensis~
ガレージから車を急発進。やはり気が急く。
「あいつが行きたいところってどこだろう。十分に時間があるって言うくらいだから、近場だな」
などと考えているから――急ブレーーーキ!!
ガレージから出て、ちょうど通りに出るところであった。
圭は危うく人を轢きそうになる。
よろけて手をついたのは若い女性であった。
圭は車から飛び降りる。
「大丈夫!」
「ええ、少し驚いただけですから」
彼女は何事もなかったように立ち上がる。
「けがとかないですか」
「大丈夫です。車には接触してませんから安心してください」
「いや、驚かせたことには変わりないので」
「ええ、でも本当に大丈夫ですから」
「でも……」
しつこいくらい心配してるのは、もちろん圭の性格にもよるが、客観的には、彼女が美人だからということもあるのではないか。
だが、今の圭には時間がない。しかも、彼女が大丈夫と言っている以上、ドラマ的(?)ななにかが起こりようもないのであった。
「本当にすみませんでした」
「いえ、気にしないでください」
彼女は軽く会釈をしてこの場を去ろうとする。
圭は、「もしなにかあったら、僕はこの店の者ですから、いつでも来てください」と、自店の看板を指差し、かろうじて縁を残すのである。
意識せずにそういうことをしているのが、凄いと言えば凄いのであった。(続く)
ガレージから車を急発進。やはり気が急く。
「あいつが行きたいところってどこだろう。十分に時間があるって言うくらいだから、近場だな」
などと考えているから――急ブレーーーキ!!
ガレージから出て、ちょうど通りに出るところであった。
圭は危うく人を轢きそうになる。
よろけて手をついたのは若い女性であった。
圭は車から飛び降りる。
「大丈夫!」
「ええ、少し驚いただけですから」
彼女は何事もなかったように立ち上がる。
「けがとかないですか」
「大丈夫です。車には接触してませんから安心してください」
「いや、驚かせたことには変わりないので」
「ええ、でも本当に大丈夫ですから」
「でも……」
しつこいくらい心配してるのは、もちろん圭の性格にもよるが、客観的には、彼女が美人だからということもあるのではないか。
だが、今の圭には時間がない。しかも、彼女が大丈夫と言っている以上、ドラマ的(?)ななにかが起こりようもないのであった。
「本当にすみませんでした」
「いえ、気にしないでください」
彼女は軽く会釈をしてこの場を去ろうとする。
圭は、「もしなにかあったら、僕はこの店の者ですから、いつでも来てください」と、自店の看板を指差し、かろうじて縁を残すのである。
意識せずにそういうことをしているのが、凄いと言えば凄いのであった。(続く)
by atsu-fishingstory
| 2015-10-11 20:06
| hit9 外道の味